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そう呟いた彼女の目は酷く冷たいように見えた
元々、この家の人間は嫉妬や強欲といったものに囚われやすい それが今起きてることなのだろう 「ねぇ、話聞いてる?」 彼女はイラつきながらこっちを向いた こういう時、無視すればそれはそれでうざったい 「聞いてるよ、ちょっとうとうとしてきただけ」 「嘘。だっていつもは明け方まで本読んでたりするのに」 やばい、バレてる 「ちょっと考えごとをしてた」 「ふぅん」 上手くスルーしてくれて助かった 癇癪起こされるのがまたうざいし 「思えば会った時から嫌いだったのかも。憧れでもあったけど嫌いだったのかも」 「何それどこの昼ドラ」 「煩いわね、口塞ぐわよ」 「はいはい」 「好きだったのに、一変した時に嫌いになったのかも。だってこっちは気づいてるのにあっちは気づいてない。私がただのストーカーみたいで気持ち悪いじゃない。だから嫌い。あの子も、そう思って覚えて思い出す私も」 「しょうがないよ、人間は生まれながらにして罪を持って、その罪は大罪なんだから」 「大罪なんて言葉で片付けられたくないわ。私の中にあるのは愛憎の中の憎悪なの。もしくはただの憎悪なの」 「難しいね」 「簡単なことよ、人間の思考にならなければいいの。なんでも人間基準で考えるからよくないの。私は私で考えてるの」 「ああ、そっか。それはいいね。面白い発想だね」 「頭がまだ固いだけよ幻想廃人」 「なんたる不覚。恥ずかしい限り」 「とにかく私は寝るわ。こんなにもやもやしたくないし、何も考えたくないの。おやすみなさい幻想廃人」 「おやすみ、魔女殿」 全く貴女は困った人だ PR この記事にコメントする
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