× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 スウィーツ食べていければいいんじゃない? 苺ジャムの話。 そんなに自分は朝が強いわけでもないけど弱いわけでもなく。 いつもが寝不足なのだ。そういつもが。理由を言い、合理化するのであれば本が面白かったのが悪いとしか言えないのだ。 それもただの面白い本ではない。こってこての洋物。英語だかわからないものを辞書片手に読んでいたのだ。 始まるのはとても遅いが、進みだすと止まらない自転車の坂の原理みたい。 そして、気づいたら午前の3時くらいを普通に超えていて布団に入って起きれば午前7時だ。 約4時間の睡眠、人間6時間以上は取らければならないらしいが…脳が興奮しているのか眠くない。 …数時間後の生きていく上で必要の無い学を聞くにはならないので寝ているのだろうけど。 兎に角、布団を早く片付け、今日学校行く服装を決めて鏡の前で着替えると蒼薔薇が顔を覗かせていた。 「…お前いつから顔を出してたの?」 「ちょっと、前?」 彼女も、眠いのは苦手なのか眠そうな顔でうとうとしていた。流石は眠り姫って呼ばれてたことはある。 「…今日のご飯ね、とんでもないことに、なってた」 「…おう?」 よくわからない言葉に呆然とするしかないんだが、後で気づくことになる。 「…なんじゃこりゃー」 「ね?言ったとおり、でしょ?」 そこには麻多家恒例の朝食がいつもならば白飯・味噌汁・漬物・サラダ・魚料理が見事に洋食になっていた。 多くのパン、スープ、バターやジャムの瓶、サラダ、ベーコン、卵。 畳の上の卓上机の上の洋食は一般人から見たら普通だと思えるんだろうが、麻多に入ってからは畳の上の卓上机の上には和食なのだ。 まるでそれが当たり前で、崩されてはいけないのだ。麻多家の朝食は。 (施設にいる頃はテーブルで皆いただきますで和食も洋食もあったからどうでもいい) ちなみにジャムは全部苺だ…個人的にマーマレードがいいんだけど。それか桃。 どっかの姉はりんごだ!りんご!と騒いでいた。 「夜月、依夜、おはよう」 「おはよう、お父さん」 「おはよう、父さん。何なの?このパンの行列。俺朝は和食じゃないと嫌なんだけど」 そりゃ確かに多種多様なパン。フランスパンや食パンやミルクパン、何故かしらないけどラスクまでもある。 …ラスクって、元々味付けされてなかったっけ。 「お前、昨日のことも忘れたのか?昨日昼に貰っただろうが」 「…あー、あの大量の瓶の正体それだったんだ」 「覚えておけよ、馬鹿息子が」 「依夜も手伝って食べるんだから…これ以上問題増やさないでね」 「問題って……はぁ。最も被害に合う人間のことも考えてよ妹」 「ねぇパパ、依夜ジャムたっぷりがいいな?」 「おー、任せとけー」 あ、スルーされた。 そういや母さんの姿が見えないけど…うーん、また体調でも崩されたのか機嫌が悪いのか。 機嫌が悪いってことはないんだろうけど…ちょっと心配。 「ねえ父さん、母さんは?」 「んー?ちょっと体調が悪いからって後から来るって言ってたぞ」 「…気づかれる前に、帰るね。パンなら、ちょっと持っていくから」 「勝手にしていけば」 …あん時から、仲が悪いもんなぁ、依夜と母さんって。 依夜が帰ってから数分後、母さんはやってくるなり目を輝かせた。 「ねぇなぁに?これはなぁに?」と父さんに聞く所、まるで初めてパンを見た子供のようだった。 実際に、母さんは今の今までパンを見た事がなかったそうで。 幼少の頃から、病気しがちで、外に出してもらえず学校にも行かず、和食しか食べていなかった結果がこれだそうで。 …甘さ控えめ、保存料・着色料無使用の無添加、春時雨あよの愛情たっぷり手作りジャム。 今度彼氏さんにあげればいいのに。俺じゃなくて、さ。 いつか誤解されちゃうんじゃない?俺にその気はないけど、さ。 とっても、美味しゅうございました、とだけ。 また食べてみたいなぁとか思ってみたり。 PR この記事にコメントする
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