× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 兄の笑顔が、これ程まで恐ろしいことに気づかなかったのはどうしてだろう 注!この作品にはアンオフィシャル・一部残酷表現等含まれます 嫌悪される方などはブラウザバックを推薦します 尚この作品の閲覧での苦情等一切受け付けません 「ねえ、知ってる?」 久方振りに帰ってきた兄が私に悪魔のように囁く。 「母親が中絶する時、腹に孕んだ赤子の骨を粉々にして潰して殺すんだって」 知ってる。だって私たちはそれでも死ななず生きて生まれているから。 「やっぱり気持ち悪いね、そう生まれたってことは。僕等どんなに殺されないってことだよ。ただし外傷のみでね。ああでも中身もやっぱり死なないのかな病気とかでも。治っちゃいそうだよね。毒殺とかで死なないのかな僕等。不老不死とか最高だよね。誰も知らないことを僕等が知っている。ねえとてもすごいよね。でも死にたい時ってどうしよう。ねえ依、君が殺してくれる?」 そうやって私の髪をひっぱり掴むあなたは玩具で遊ぶ子供のように笑う。 「君が僕を殺してくれたら、何もかも楽になれるよ。麻多のことも。自分のことも。僕のことも。何もかもから解放される。生きていることは苦痛だよ。肉体という鎖に縛られ、やがて腐りおちるまで魂は拘束される。自由にできないことが苦痛だよ。生きてることが苦痛だなんて常人には理解できないことだとは思うけどね」 「自分のことでも、あんたのことでも、苦しんだ事はないよ。麻多は憎しみしかないからね」 「それなりに考えてたんだぁ!へえ」 私の髪をそのまま、握り、ぶん回して、手を離せば私は簡単に放り投げされ体に地味な痛みだけが残る。 「はァ?何を言ってんの下衆が、ただの殺人狂のくせに」 そうだこの人は、一番上に立てる存在だった。 「生んでくれた母様に感謝はァ?お腹を痛めてまで産んでくださったお母様、に憎しみィ?勘違いもいい加減にしろこの狂人!何のために生まれたのさ!え!?お前は僕の代わり!僕がいなくなったらただのお人形なの!ねぇ知ってた!?知ってたァ!?ただの人形、ああいいね!生きることも何もかも束縛されるマリオネット!楽だよね!誰かにそうしてもらえる事ってさ!自分で決めないのってずっと楽!そうだよねェ依ィ!!お前のその名前は僕の代理っていう意味!人の名前だけでももらえただけでも感謝しなきゃいけないってわかってたあ!?ねえわかってた!?お前なんて衣でいいの!なのに人の字をくれたんだよ感謝しろよこの下衆!!」 「痛っ…」 兄は手当たり次第に物をなげてくる。それが硬いものだからこそ、彼は、質が悪い。 「所詮は殺す道具で、本能のままに楽しんでるくせにそんな辛気臭い顔して!!うざいんだよ!どうして楽しんでるのに罪悪感なんて持つの!人形のくせに!骨を壊されてもすぐに治るだなんて本当気持ち悪い!!死ねばいいのに!!どうして僕なんかより先に出てきた訳!死ね!早く死んで!!早く僕の視界から消えてよ!声も聞けないように声帯切ってやろうか!動けないように手足切ってあげようか!?何も見えないようにその琥珀玉潰してあげようか!!父様に加護を貰ったその目!僕にも頂戴よ!ねぇ!!髪も僕と同じとか気持ち悪い!その綺麗な肌とか体、何のためにあるのさ!!汚いことでもしてるの!?ねえ!その体利用して誰かを利用してたりするわけ!?気持ち悪い!!そんな奴の血縁者だなんて兄だ何て思いたくもないよ!」 「…気持ち悪い事言わないでよ、気持ち悪い」 辺りの物を投げ終えた後、兄は私の上に跨り両の手で首を絞める。 嗚呼危ない、目の前がかすんできた。 「ねぇ、」 「どうしてお前なの、」 「どうして、どうして、どうして、お前なの」 「ねぇ、どうして」 「どうしてお前は、愛されたの」 そんなこと、こっちが聞きたいよ 何か折れる音が聞こえた。 PR この記事にコメントする
|