× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 最近兄様の好きなお遊びは、足を池にそっと下ろし、そっとかき混ぜる。 「よくお聞き、青薔薇」 「お前の母はね、」 「お前の母は、もうすぐ…」 その先は聞きたくないわ、お兄様。 お兄様は嘘吐きだから、嘘でも例え傷つきたくないの。 「お前の母は、死ぬんだよ」 嘘だ、と呟けばお兄様は笑う、哂う、わらう。 「人はね、産まれて人を産んで、死ぬんだ」 「神様が僕等を作ったように、イザナミが子を産んで死んだかのように」 「でも、あの人は、神のようだったよ」 「人として産まれ、麻多の人として生まれ、人を生んで、今死に行くんだ」 「神様に、その魂を、返すんだ」 「それはとても名誉なこと」 「当時特攻して死んだ人のように」 「ねぇ青薔薇」 「君は産まれたことを感謝しなくちゃいけないね?」 そう笑うお兄様の顔は、酷く笑ってて、ないてて、おこってて、残酷だった。 (果たしてあの顔は、私が見たことのあるお兄様だったのだろうか?) PR この記事にコメントする
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