破滅階段

おうたうたって　　おにいさま。



きかせてきかせて！

彼女達は怪我もせずにちゃんと帰ってきてくれてよかった。

何より心配していた彼女の心的外傷が無くてよかった。
本当、うちの妹君は色々な意味で恐ろしいんだから。

流石は元といえど、死んで行く夜。

あれが色々な物を壊す時、何が起きるかわからないから怖いもんだ。
でも俺が何故彼女に薙刀を教えたのは家の中で一番力が弱いから。
本来、重い武器は不便だという事であまり使わない家だから力は弱い。
けれども重い武器を持てば扱いにくいがあんていした攻撃力が出せる。
重くて、とても使いにくいであろう薙刀を彼女は軽々とこなしてしまった。

嗚呼やはり彼女は夜。
名に己を貰ったからこそ、強い。

けれど彼女は己の幸せと、愛すべき人の幸せを選んだ。

俺はそれで構わないと思う。
けど彼女は何かと周りを心配してしまうから、気にしているようだけれども。
……俺は構わないのに。結構楽しんでるから。

そんな彼女だからこそ、俺は誰よりも好きなんだと思う。継承者の中で。


お願いよ、蒼き朧月。
己の為に生きておくれ。お前は沢山傷ついたから。
今度は私が護る番。例えこの身滅ぼうと朽ちようと


君はもう　　幸せで愛すべきの人の為　　笑っておくれ