知恵の美を食べてしまった

知ってはいけないことを、知ってしまったみたい。

だって可笑しいんだもの。
こんな気持ちに包まれるだなんて、気持ち悪い。

彼の全てが欲しいだなんて。
そんな権利、ある訳ないのに。
欲しいと願う私はきっと強欲なのだ。


……蒼薔薇は、カミサマの祝福を、受けて、生まれた。
有り得ない、と、不可能だと、言われてたのに。
なのに、なのに。

こんなにも、幸せを受け取って。

こんなにも、幸せなのに。

もっと、って求めるのは、カミサマから怒られるような気がした。
有り余る幸せを、手からも零れ落ちてしまう幸せを、掬わず拾わず何をしているのだ、と。


私の何かが渦を巻く。何かが。
それがわからない。わからない。


教えてよ、黒薔薇。