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突然体が揺れたと思ったから地震だと思った。
でかい、と思った時には積み上げた本はばらばらと崩れ、攻撃してくる。 とりあえず家族を集めようと思って姉達を呼ぼうとした途端に聞こえてきたのは罵声。 「何しているの?電話なんて通じはしないから後でかけなさいな。震源地確認しなさいな。電車も止まってるからこれから帰る子はお泊り覚悟しなさいな」 穏やかなものではあったが、実際この人がこんなに動いている所なんてあったのだろうか。 「母さん、こんなに動いたっけ…」 「さあ?僕覚えてないよ」 「姉はん、動きますなあ…」 「ママ動いてる、の?」 「…ちょっと、乗らないでくれる?」 よく似た二人の顔が覗き見してる俺の上に乗り、さらにあゆりさんが上に乗り、その上に依夜が乗っかるピラミッド。 腰に来る。起きたら腰痛とか嫌過ぎる。様子見たいのに、重すぎて正直顔があがらない。 耐えるだけで精一杯とかうわ。 「ああもしもし?そっちはどう?電車動いているの?動いてないの、ふうん」 「ママ、誰にお電話してるの?」 「さあ…?」 「地方の麻多だよ。電話回線は専用のを使ってるはずだからね」 「何でお前そんなこと知ってるんだよ」 いや俺の上で会話するなよ。 「いい?馬鹿みたいに大きい家や同情を民間にも開放してあげて。食糧と暖と安心を提供してあげなさいな。回礼内人もいるからできるだけ早めに。女性が狙われるわ」 こっちを向いた奥方は、俺たちに気づいたらしく上に乗ってる人たちがざわめく。おりろよ。 「貴方達もやってくれるわよね?」 そう笑顔で言われた気がした。 「依と依月は食事と暖の提供を。私の古い着物を使ってもいいわ。喧嘩しないでね」 「はい」 「はぁい」 「あゆりはまず、東北にいる家族の安否を確認してちょうだい。心配でしょう?」 「お気遣いありがとうございます…」 気にしてないわ、と声が聞こえた。 「依夜は子供達が着たら安心させる為にそういった物を描いたり歌ったりしてちょうだい。服気張りすぎ。」 「はいなの!」 「夜月は駅とかから人の誘導やネットで確かな情報提供と情報収集を。できれば物資の運搬も指示してほしいわ。女中も野郎も使っていいわ。使えるものはなんでも使ってちょうだい。」 腰ダメそうだけど、大丈夫?と聞かれたけど正直腰痛い。 「へーき。あと伊檻も連れてきますんで使える物は使います。湿布とか。」 「くすくす。頼んだわよ」 それぞれがそれぞれの役割の為に準備をする。 依は残っていた炊かれた米でおにぎりを作る。依月はストーブや毛布を一部屋にまとめにして暖めておく。 あゆりは携帯電話から家族にメールを送り、祈る。 依夜は恋人が無事でいてほしいと今は祈った。 夜月は離れた場所に住んでる伊檻を引き連れ、物を運ばせる。本人はネットで情報を拡散する。 それを見た麻多の奥方は美しい表情を恐ろしく冷たく綺麗なものへと変えた。 「それができないだなんて成金野郎にでも成り下がるおつもりで?最早他人事じゃないのはお分かり?今はもう皆他人じゃあないの。わかってるんだったら早く人を救助したり匿ったりしないさいなこのクズ」 PR 彼とは血の繋がりは半分程度しかない それも正式なものではない ただ同じ精子を受け継いだだけの形だけの兄弟 私がこんな性格で、事実上一家の頂点にいるからだろうか 他人行儀のようなことを彼はする 別にそんなことしなくていいのになんて言ったところで彼は気まずい思いをするだけだ それはきっと彼らに不愉快をさせるだけ そんなつもりで言わなくても、だ 回りも彼を正式に此処の子供とは認めてくれないなら私が従わせる それくらいの力は私にある 彼が望むなら 彼らが望むなら 私は 家督すら彼にあげれる程 私はお前を認めているというのに 依さんだなんて呼んでほしくない 半分でも繋がりがあるのだから 姉さん、と 呼んでくれたっていいのに だってひとりは さみしいだろう?
貴方に会えた幸福で
眠れないだなんて! 幸せでうとうとしていたのに! もう! 子供みたい、だなんて笑わないでね
電車に揺られ
トンネルの闇に 見られては 見返す 否 魅いられそうになれば酷く不安定になり 餓えの絶えない空虚が手を伸ばし、 餓えを埋めようとしても渇く 嗚呼 呼んでいたのは、 お前達なんだね 可哀想に可哀想に 最初からわかってた 私がこの分岐点で此方を選べばもう1つの選択肢は消えてしまうということも 私がもう1つの選択肢を選んでも幸せにはなれず独り寂しい時間を過ごすということも わかっていた なのに なのに |